祖父と私と絵画のはなし

画家であり、祖父である佐藤徹のブログ。アートのこと中心です。

アートのモノクロとプロデュース

若い頃、まだ大学にいた頃は先生には偶然デザインに来たと言われたものの、私なりにはデザインやアートに使命感のようなものを持って課題に挑み、小論文のようなものをマジメに書き、また学生同士で展覧会をやってみたりしました。なんていうか仮面優等生でした。

ところが、佐藤可士和さんのようなデザイナーや上流のデザインに憧れつつも、卒業や年を経るにつれて、デザインをやっている仲間があっという間に減っていき、商業デザインというものに足を絡め取られている、多くのデザインやくざのうちの一人です。まだまだ腕も考えもチンピラです。

そこへきて何なのですが、佐藤徹の作品集を作れないかなと仮定して、ちょっと思ったのは、色彩の大胆さが際立った祖父の絵ですが、それをあえてモノクロで作ってみたらどうだろうと思いました。というのも最近、読書中にウィレム・デ・クーニングさんという方の抽象画の絵が小さくモノクロで掲載されていたのですが、その絵をワタシは面白いと思いました。きっとここはこんな色で、ここは繊細にここはダイナミックに描かれてるんだろうなあ、などなど。

水墨画の考え方で、あえて墨の濃淡で絵を描いて色を感じてもらう、みたいなことを思い出しました。単にオールページカラーで出すのはお金がかかるという理由もありますが、作品集というものそれ自体が記憶の残骸でしかないものだから、モノクロの作品集があっても面白ければいいんじゃないかと思ったのです。

まあ実現はしない、あくまで仮定の話ですけど(笑)。