祖父と私と絵画のはなし

画家であり、祖父である佐藤徹のブログ。アートのこと中心です。

地中海展の様々なご意見

湖西市のムーンシスターズさんでの展覧会も残すところあと3日となりました。
佐藤徹が亡くなってから初めての展覧会で、果たして人は来てくれるのかと冷や冷やしていましたが、蓋を開けてみれば、なんと初日のまだ絵の価格も決まってない内(絵の価格を付けることをすっかり忘れてました…)からお越しいただき、予約されていく方もいて、びっくりしました。

その選ばれた絵は祖父の作品の中でも、特に祖父がこういうの描きたい、目指していきたいと思ってたという繊細な、時のうつろう感じの印象的な絵で、「そうか、これが真っ先にお嫁に行くのか」という感慨深い気持ちになりました。

土曜の午前中なんて、人は働き疲れてゆっくり来るだろうと思って、私達ものんびり行ったら、ムーンシスターズさんから今どちらですか〜?と電話が来て、向かっている道中で「もうお昼だしご飯食べてから行こうか〜」なんて話してたのですが、それを聞いて慌てて行きました。祖父が天国から降りて来て、あいつらまだ来ないのか!?と苛々してる様子が目に浮かぶようでした…。

今回の展覧会で色々貴重な意見をいただき、今後参考にしようと思います。例えばやっぱり袋井のあの白いアトリエで、徹の絵を観たいという意見もチラホラあって、大規模な片付けを検討しています。祖父は(そして私も)片付けや整理整頓がやや苦手だったというか、何かと言うと大きい机や、どこに置くの?というような立派な椅子や、ヨーロッパ風の化粧棚を嬉しそうに導入したり、また日曜大工が好きで、台やキャンバスまで自分で作っていて、なんだかよく分からないもので今もいっぱいです。

あと以前にも書きましたが、祖父は多分30年くらい前の画家デビューしたばかりの頃、木村忠太さんに憧れ、模倣してたような時期があり、私は素人考えなので模倣はよくないんじゃないかと思ってたら、徹さんが描くああいった絵、好きですといった意見もあり、そういうニーズもあるのかなあ〜と思いました。

あと、年代の分かるような画集があればいいのにという意見もいただきました。しかし祖父は制作年月日を書かない人だったので、大体しか分かりません。また立派な画集はきっと、ウン百万の予算と、詳細な経歴の調査と編集と、既にお宅でお持ちいただいている絵画の掲載と撮影のお願いに東奔西走しないといけない…?のかなあ。ドラえもんに頼みたいところです。

あと、個人的には最晩年に描かれた銀座・月光荘画材店のパステルっぽい淡い絵の具(わたしがプレゼントしました)の絵が、徹らしくないと思われたのか、あまり話題に上らなかったのが残念です。晩年、体力がなくて、小さいサイズの油彩しか描けなくなった頃に、どれどれと使ってみたら本人は面白いと言って気に入っていたのですが、確かに若い頃の躍動感からは遠ざかったかも知れませんね。でもきれいな色だし、思い出深い絵です。

まあ、私は非力ですが、できる限り実現できるよう頑張っていきたいと思います。

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