祖父と私と絵画のはなし

画家であり、祖父である佐藤徹のブログ。アートのこと中心です。

ウィレム・デ・クーニング展

先日、八重洲ブリジストン美術館の展覧会を観てきました。抽象的で何が描かれてるのかよく分からない、でもなんか魅かれます。現代アートなのかなと最初は思ってましたが、第二次世界大戦後に抽象表現主義を先導した一人として、1904-1997まで御存命だった画家とあります。女性をモチーフにすることが多かった方なのですが、私の感想としては「おいしそう…」というものでした。
というのも油絵の具の盛り方のこってり感や、明るい色遣いが、ちょっとうちの祖父を思い浮かべるのです。子どもの頃から佐藤徹の絵を観て、特に白い絵の具が盛ってあるのを発見すると、私はケーキの生クリームを思い浮かべ、ショートケーキが食べたいなあと思ったものでした。今でも一番好きなのはぽってり生クリームの苺ちょこんのショートケーキです。ウィレム・デ・クーニングさんの絵も写真では分かりづらいですが、そんな食欲のそそる(といっていいのかどうか分かりませんが)迫力のある絵なので、ぜひ肉眼で観に行かれることをお勧めします。
あと個人的には同時に絵が掛かっていた白髪一雄さん(1924-2008)の赤や黒の絵が、初めて知って観たのですがパワフルな迫力でほうっとしました。
それと美術館内では見落としただけなのか拝見できなかったのですが、オランダ出身のピート・モンドリアンさん(1872-1994)の「砂丘」という絵が、美術館の外のショーウィンドウにコピーが飾られていて、この絵も祖父の絵にちょっと似ているんじゃないかなと思い、思わず携帯で写メに撮りました。祖父がもっと早く画家になるか、もっと長く生きていれば行き着く先はこういった抽象表現主義だったのかなあと思い、もうその作家性が追えないのが残念でなりません。
結論としては、感慨深い、いい展覧会でした。2015年1月12日まで開催されているので、ご興味があればぜひ観にいらっしゃってみてください。

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