祖父と私と絵画のはなし

画家であり、祖父である佐藤徹のブログ。アートのこと中心です。

展覧会の搬入を終えて

昨日やっと搬入が終わりました。私は離れて絵を見て無我夢中でこの絵はこっちがいい、あっちがいい、これとこれはぶつかる等、天皇陛下のように言ってるだけでした。

だけども、前々日に急遽、佐藤徹略歴を作り、翌日東京が地震で新幹線や電車のダイヤが乱れる中、新幹線に飛び乗り、バスで母の家までカメラ等の大荷物を持って、ヘトヘトだったので、どっと疲れました。
生前の祖父に比べてビックリするほど体力がないことに驚いていますが、後は観に来てくれる人を待つばかりです。ちなみに貼れパネのタイトルのカットは、急用ができて時間がなくなってしまったので、ムーンシスターズさんにお願いしてきちゃいました。

祖父が亡くなって初めての展覧会で、色々緊張したり、考えていかないといけないことが出てきました。祖父は生前、もう一度画集を作りたかったと言い残していたので、私達の思い出という意味でもそれを叶えてあげたい、でも今までは祖父の人柄で人が来てくれましたが、本人がいない中でどこまでやれるか、付いてきてくれる人がどれほどいるか、祖父の絵の真価が問われるところです。

祖父が亡くなる前に気にしていたのはこの地中海の展覧会と袋井のアトリエをオープンアトリエにすることでした。予算が許せば袋井のアトリエをオープンアトリエにしたかったのですが、オープンアトリエはさすがに無理そうです…。生家とはいえ、ファンが多いとはいえ、あまり立地がよくないですし。。

それからよくない絵を切り刻んで焼却場へ持っていくこと。。言い方が残酷ですが、これも祖父が自ら生前よく言っていたことです。

今あるアトリエも老朽化でガタが来ていて、なるべくアトリエの中を片付けたいのですが、絵を切り刻むことがちょっと躊躇われる、でも祖父の意向に逆らって絵の価値を理解してない方々に、絵を上げるくらいなら切り刻むことも考えてます。

この不況で美術業界は銀座の画廊の求人欄から察するに、今や富裕層の日本人以外は富裕層の中国人やフランス、英語圏の人をターゲットにしてるのかなという感じですが、絵が売れないからと言って祖父の言いつけ通り、バナナの叩き売りのような安売りはしたくありません。

色々取り留めのないことを書きましたが、とりあえず今後の展開は今回の地中海展の反響次第で、期待と不安がない交ぜになって展覧会を迎えようとしています。。

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