まっ白い四角の思い出
絵を描くっていいかも、と今になって思う今日この頃です。
私は静岡の田舎の美大のグラフィックデザイン科へ、祖父である佐藤徹の援助で通学させてもらってました。とても有難かったです。
学校には美術科コースもあり、(学校側が受け入れてくれたかはともかく)そっちへ行っても面白そうだったのですが、祖父が絵を描いてる姿を見て、とてもじゃないけどあの領域まではかなわないと思い、あまり縁はなかったデザイン科へ行きました。総合的な結果はどうか分かりませんが、それが転じてこうしてwebサイトも作れるようになったし、判断は正しかったかなと思うようにしています。
子どもの頃と高校生のとき、祖父からアトリエで手ほどきを受けたことがあります。私がどう描けばいいか分からないまま、えい!えい!と描いていると、ときどき様子を見に近寄ってきて、ここはこうしたほうがいい、これは面白いねなどと言ってくれました。
祖父が急逝してから、なぜだか無性にもう一度、絵を描きたいと思うようになりました。早速キャンバスノートを取り出して、カッターで削った鉛筆でラフ画を描いたのですが、大学ノートより大きいサイズのまっ白い四角を前にしたときの、緊張感とわくわく感を久々に感じられました。
世間には現代アートというカテゴリの中で、インスタレーション(例えば、草間彌生さん)とかもあるけど、私は祖父がやってきたような絵画をもう一度手習いしてみようかなと思っています。
余談ですが祖父の画家デビューは50歳からで、働きながら絵を描いていました。何事もやって遅すぎることはない、かな?